ヘチリールに求めるものとは何か…
ヘチリールとは何?
これからヘチ釣りを始めてみようと思いタックルを調べていると出てくるのがヘチリール。一体、何なんだ!?一般的に釣りと言ってイメージしているものとは違うのか?と思われる方も多いと思います。
先ずはどのような物なのかを説明します。
基本的には至ってシンプルな構造でギア比が1:1で方軸のタイコリールになっています。この1:1というのはリール1回転でスプールも1回転しか回らない物です。筏用やドラグ性能が付いた物も販売されてますがヘチ釣り専用のリールが好ましいです。
ヘチ釣り専用リールでないとダメなのか
結論から言いますとスピニングリールやベイトリールでも出来ます!
そこで何故、専用のヘチリールが好ましいかと言いますとヘチリールは一般的にスプール径が85~90mmでラインの巻き癖が付きにくくなっていますし、スピニングリールではラインの出し入れを行うためベールを操作する必要が出てきますので頻繁にラインの出し入れを行うヘチ釣りでは少し不便になってしまいます。
ベイトリールを使うのであれば軽い仕掛けをスムーズに落とせる性能が必要になってきます。ベイトリールやスピニングリールにはヘチリールにはないドラグ性能やハイギアなので、ある意味扱い易いのかなと思います。そう考えると目印仕掛けを使用した落とし込み釣りでの専用リールも選択肢に入ります。
ヘチリールのメリット
ヘチ釣りをするのであれば、やはり専用のヘチリールを使用するメリットを紹介します。
- ・巻き癖
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先ほどもありましたがラインの巻き癖が付きにくい事です。これは非常に重要でヘチ釣りはラインの僅かな変化でアタリを取る釣りなので余計な糸フケは大敵です。その為スピニングリールより比較的大きいスプール径で巻き取りも横方向ではなく縦方向で直線的に巻いてあるタイコリールが適しています。
- ・メンテナンス
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構造がシンプルな為、機械的故障が起こりにくく日常のメンテナンスも行いやすく部品パーツも少ないので必然と安価な製品もある。(※メーカーによる)
- ・デザインとやり取りの虜
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タイコリールはシンプルながらその外観は美しい。鍛造マシンカットされたアルミ製や木製のハンドメイド物であったり見ても触れても所有欲が満たされます。
またギア比1:1でドラグ機能が無いが故の魚を掛けてからのやり取りはダイレクトに魚のパワーを感じることができます。ここが醍醐味かもしれません。親指でスプールを押さえ自らでドラグ調整をし釣り上げる魚との攻防は間違いなく虜になるでしょう。
ヘチリールのデメリット
専用のリールと言えどデメリットもありますので紹介します。
- ・ギア比1:1故に
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メリットでもありましたが裏を返せばデメリットにもなります。ハイギアであればリール1回転で巻き上がるラインの長さは稼げますがリール1回転で巻けるラインの長さはスプール1回転分だけになります。しかもドラグ性能が無いとなれば必死に巻き上げ、しかも親指でドラグ調整しなければいけません。大型でパワーのある魚とのやり取りとなるとデメリットの部分が顕著に出てきます。
しかしそれをも楽しむことができればメリットにしか感じません。
- ・ドラグ無し
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ドラグがなければリールが回転し放題になりますのでガイドにラインを通す場合や意図せずリールが勢いよく回ると一気にバックラッシュに繋がります。魚を釣り上げた後や、ふとした時に空転してしまわないように気を付けなければ最悪な状況になってしまいます。(※リールストッパーが付いた製品もあります)
- ・コレクション
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釣り道具ではあるがデザインが美しい為コレクションしたい気持ちが出てくる。
どのような製品があるのか
昨今、様々なメーカーから製品が出てきてますが実際、私が所有している物で見ていきたいと思います。

今現在、一番使用頻度の高い黒鯛工房の3つになります。真ん中のヘチリミテッドが一番長く使用していまして、かれこれ10年近くになります。メリットでも話しましたがメンテナンスも簡単で定期的にバラして掃除してオイル足してとしています。使用感はかなりありますがパーツの交換は一切してませんが現役で活躍してます。

両端はアスリートで同じ物のカラー違いです。右側のGBを先に購入し使用しており後にTGを追加しました。同じものを追加するほど操作性、デザインともに気に入って使用しています。


この黒鯛工房のリールにはバックラッシュ防止になるストッパーが付いてますので取り扱いも抜群です。

こちらのリールは安価にも関わらず非常に軽量かつ回転性能も最高に良い製品です。ヘチ釣りを始めて先ずお手頃なコスパの良いリールを考えるなら打って付けのリールだと思います。


ただ、こちらのプロマリンバトルフィールド黒鯛にはストッパーが付いていませんのでバックラッシュには気を付けて使用することが必要です。

【TSURUYA】
木製リール
こちらはTSURUYAの木製ヘチリールです。木製ハンドメイドは何と言っても唯一無二ということでしょうか。木製ならではの温かみが感じられます。和竿との相性は抜群で既製品にはない所有欲もあります。このような自然の物で釣り上げるのは格別の楽しみがあります。


しかし木製という事もあり取り扱いには気を使ってます。不意に落としてしまったりで割れてしまうと…と思うと私の場合は少し出番が少なくなっています。
ヘチリールの選び方
今では様々なメーカーから製品が出てきていますので選択肢が多くなってきました。私がヘチ釣りを始めた頃は、まだまだ一部メーカーからでしたし何を買ったら良いのか情報も今ほど出ていませんでしたし、やり始めた頃はスピニングリールやベイトリールでやっていた事もあります。
初めて購入したヘチリールが上記にもあります黒鯛工房のヘチリミテッドです。これを最初に使用した時は衝撃的でした。なんて軽くて回転性能も良いし扱い易いんやと。これがヘチ釣り専用リールなんかと。

正直、選び方や価値観は人それぞれだと思いますが私の経験から言いますと最初に黒鯛工房のヘチリミテッドにして良かったなと思います。
当初は正直、金額も高いなとも思いましたが今思い返してみると10年近く使用してますし、これからもまだまだ現役で使用して行くことを考えると安くさえ思えます。それほど不自由なくヘチ釣りを楽しませてもらえているし、ヘチ釣りをここまで好きにしてもらったということです。
このリール1つでやってこれたのですが先にも言いましたようにコレクション的な感覚で所持もしたくなったということです。
ヘチ釣りを楽しむ事も、楽しみ方は人それぞれですのでデザインであったり性能であったり価格であったりと思案することも多いですがそれも楽しみの1つとして考えていけば良いのかなと思います。